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2018-09

MGU-Hの市販車への搭載可能性

F1で市販車から掛け離れた技術を莫大な資金を投入して競っていることが問題になって、環境を意識した技術開発にシフトしていった結果、V6直噴のダウンサイジングターボやハイブリッドが採用されるようになった。


ハイブリッド技術のうち、発電機兼モーターなジェネレーターで減速時に発電した電力を加速時にモーターアシストに使う運動エネルギーの回生、MGU-K(キネティック)はプリウス以来大規模に市販車で採用されている技術の逆導入。
もう一方の、排熱利用のMGU-H(ヒート)の方は、ターボのタービンと同軸に設置したジェネレーターでタービンの余剰回転力を利用して発電し、低回転時には逆に電力でタービンを回してターボラグを解消する、いわゆる電動ターボなのだがまだ市販車には採用されていない。


ターボのタービンは20万回転とかエンジンとは比較にならない超高回転になるため、同軸で繋ぐジェネレーターは超高回転と高熱に耐えられる精度と耐熱性が求められそうだ。
市販車では減速ギアを噛ませて回転数を落としたとしてもなお数万回転はありそうで、やはり高性能ジェネレーターを必要として高コストになる。
発電した電気を充電するためのバッテリーもコストを上昇させる。


燃費の方もあまり期待できそうにない。
エンジン出力を消費してオルタネーターで発電する頻度は少なくなりそうなのだが、今でも減速時に集中して発電するようにしているので向上効果が限られる。
エンジン回転を上げないとターボで発電できないため、燃費との相性はそもそもあまりよろしくない。
電動ターボとバッテリーのコストに見合う燃費にはならない気がする。


電動ターボでエネルギー効率を向上させるには、やはりF1のようにハイブリッド化する必要がありそうだ。
駆動用モーターがあれば、発生した電力をモーター過給によるターボラグの解消だけでなく、加速時のモーターアシストにも使える。
ただ、電動ターボにハイブリッドという組合せは非常に高価になる。
ターボ自体が高価なのに、その電動化はコストを更に跳ね上げ、その上ハイブリッドともなると高級車になってしまう。
電動ターボだけだとコストは抑えられるものの、ターボラグの解消が主目的になりそうなので、スポーツ車に搭載されることになってやはり高価になる。


直噴ターボのためにエンジン主体という前提があるため、そこにターボラグの解消やモーターアシストが加わる構成上、どうしてもF1のようなスポーツ志向になってしまう。
複雑で高コストなシステムもあいまって、高級スポーツカー中心の採用になりそうだ。
パワーの割に低燃費にはなるものの、スポーツカーであって環境車ではない。




では、電動ターボは環境というか燃費に振ることができないのだろうか。
コストに見合った燃費を捻出する方法としては、HCCI(予混合圧縮着火)エンジンへの搭載が思い浮かぶ。
電動ターボなら低回転時はモーター過給し、過給圧が高まりすぎれば発電してタービンにブレーキをかけるなど、圧縮着火に適正な圧縮圧を維持しやすい。
可動ベーンやウェイストゲートバルブより直接的な制御方法といえる。
駆動用モーターでトルクを補えるので、超リーンバーンで低パワーなHCCI 状態を解除せずに走れる領域も増えそうだ。


エンジン排気量はダウンサイジングするのではなく、2リッターとかある程度の排気量がないとHCCI でのエンジントルクが足らない。
コストダウンのために大容量オルタネーターを省き、条件のいいときには駆動用モーターを引きずって発電することもできる。


50%ともいわれる高い熱効率を誇るHCCI エンジンを成立させるためであれば、電動ターボの高コストも許容されるだろうか。
排熱利用で発電するので、熱効率が50%を超える可能性もある。


ハイブリッドと電動ターボを組み合わせたF1のMGU-K・MGU-H技術をHCCI に転用できるのは、日本メーカーだとF1に参戦しているホンダが一番近い。
400万円なアコードハイブリッドの次期型として、その姿を見てみたい。
大容量オルタネーターを降ろしたとしても電動ターボを搭載するので価格は上がりそうなのだが、450万円程度だと現実感がもてる。
F1再参戦記念として、その核心技術をフィードバックした次世代環境車が500万円以下で誕生するのだとしたら、F1界もレギュレーションを大きく変更した甲斐があったというものかもしれない。


気がかりなのは、ホンダのF1は成績が低迷しており、その原因が肝心のエネルギー回生機構にあると言われていることだけだろうか…。



 
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