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2019-01

ハスラーワイドではなくクロスビーである理由

スズキが新発売するミニSUVのクロスビーは、そっくりなデザインの軽のハスラーとは全く違う名称で違いをアピールしている。
発表会でも新開発の普通車であることを強調していた模様。
価格も176~200万円と、軽のハスラーターボの136~155万円とはかなり違う。


どうして軽の派生車だと思われたくないのか。
軽は安全性や燃費向上のための規格改定圧力と、極端な優遇が税制と公正な競争を歪めかねないため、優遇縮小の流れがあって市場の先細りが懸念されている。
そこでスズキとしては普通車をもっと売っていきたい。
そのためには格下の軽の派生だと思われては販売的にマイナスなので、軽との関連性を断っておきたいというところか。


ところが、クロスビーの243cmというホイールベースはハスラーと1cmしか違わない。
全長は36cm長いもののそれは前後オーバーハングを伸ばしただけで、20cm広い全幅もドアの厚みやフェンダー幅を増していく方向で基本的な設計や構造はなるべく軽を踏襲か。
そのせいなのか、室内寸法は長さ1cm幅6cmしか軽と違わない。
軽からのサイズ拡大は、より自然な排気量のエンジンの搭載と荷室の確保、側面の衝突安全性、そしてデザインにほとんど喰われてしまった感がある。
軽がそれだけ無理をした設計であり、クロスビーこそがハスラー本来の姿ともいえそうだ。


という感じに、クロスビーが軽であるハスラーと全く違う新たな車であるかというと、そこには多少の引っかかりを覚えなくもない感じに見える。
フィットと比べると、クロスビーはホイールベースで10cm短く室内幅も10cm狭いなど、どちらかと言えば軽に近いともいえそうだ。
50万円近い価格差をユーザーに納得させられるかは微妙なところだろうか。
税金などの維持費の高さを考えると更にハードルは高くなる。




ライバルは同じく東京モーターショーに出展していたダイハツのDNトレック。
発売日は未定ながら、全長4m全幅1.7mでクロスビーより22cm長く、2.5cmほど幅が広い。
これはフィットとほぼ同じ大きさで、クロスビーより1回り大きなミニSUVである。
これなら軽と間違われることはない。


エンジンはクロスビーと同じ1リッターターボなので、小型車ということで価格もクロスビーと同じく200万円くらいで発売すれば、軽との競合が起こりにくい実用的なサイズ感が受けてヒットするかもしれない。
少し大型なことへのコスト増は、クロスビーのかなりマイルドなハイブリッドシステムと相殺か。




ただ、それでもクロスビーの最大のライバルは、デザインがそっくりな軽のハスラーな気がする。
そうなると価格も維持費も安いハスラー相手に分が悪いので、あまり直接比べられたくない。
だからこそハスラーワイドではなくクロスビーであり、全く新たなSUVということなのだろう。


それならハスラーのデザインを踏襲しなければいいのになあと思わなくもないが、スポーティーなデザイン路線はベースになったイグニスが既に試している。
イグニスで4m以下200万円以下なミニSUV市場が急速に立ち上がるかと思ったものの、どうもうまくいかない。
そこで大人気なハスラーのポップで機能的なデザインに頼ることを余儀なくされるわけだが、デザインが一緒だと今度は軽のワイド版だと思われかねないという問題が生じることは避けえない。
だからこそ軽とは全く違うと主張したいのだが、1回り大きなダイハツのDNトレックが登場するとその問題が蒸し返される恐れがある。


クロスビーにとっての悪夢は、前門のハスラー後門のDNトレックに挟撃されて壊滅することか。
もし軽との違いや価格差を納得させられないままDNトレックが登場すると、その弱点がより強調されて圧殺されかねない。


それとも未だクロスビー包囲網が未完であることを利用して、軽で実用性を多少犠牲にしているハスラーと、デザインへの好感度が未知数なDNトレックを時間差で各個撃破し、膠着状態に持ち込んでしまうのか。
もしクロスビーの価格があと15万円ほど安ければ今度はハスラーの予備戦力として有効に機能し、ハスラーとパンツァーカイルを形成してト(ヨタ)連邦のDNトレックに対して正面からパンツァーフォーできたかもしれない。
少し薄い装甲…小さなサイズの問題は、傾斜装甲…じゃなくて優れたデザイン性とイグニス・ハスラーがもたらす量産メリットによる手頃な価格でカバーできたことだろう。




デザインやホイールベース的にはハスラー派生に思えるクロスビーが、その出自を否定しつつ繰り広げる戦いは果たしてどのような決着を見るのだろうか。
イグニスと違いカクカクしてスペース効率に優れたミニSUVのクロスビーは、小型車としてスイフトやソリオのように成功する可能性はある。


しかしハスラーそっくりなデザインの採用は、実戦証明済みの人気の高さと共に、容易に軽と比べられる諸刃の剣でもある。
デザインのみならず、コンポーネンツとしても軽の面影が垣間見えるがゆえにその違いを強調するクロスビーは、モデル名と価格以外でその差をユーザーに納得させるという難題に挑まなければならないのかもしれない。



 
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