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2019-01

ロータリーエンジンは圧縮着火で復活するか

トヨタにEV用の小型発電機として採用されたり、水素燃焼エンジンとしてまだ可能性のあるロータリーエンジンだが、原点であるガソリンエンジンとしてはイマイチ復活の声が聞こえてこない。
ただ、マツダはガソリンエンジン技術で画期的な圧縮着火を来年にも実用化しようとしている。
この技術を導入できれば、ロータリーエンジンも復活するかもしれない。


高圧縮・超希薄・一斉燃焼が特徴の圧縮着火があれば、ロータリーエンジンの燃費が向上する。
ロータリーは燃焼室が扁平で歪な形状のためか、火炎の伝播に難があって未燃焼ガスが発生しやすい模様。
ディーゼルのように圧縮圧による一斉着火であれば、この未燃焼ガスが綺麗に燃えてパワーと燃費が向上し、排ガスもクリーンになり、ついでに不完全燃焼なスス(カーボン)が発生しにくくなるので、回して乗らないとたまったススでエンジンが不調におちいるということも少なくなるか。
超希薄燃焼で空気量の割合が非常に多く燃焼温度が下がれば、燃焼室内に噴射されるオイルが燃える量も減りそう。
圧縮着火は、ロータリー特有の欠点をかなり消せそうな感じである。




問題なのは、ロータリーエンジンで圧縮着火と通常燃焼の切り替えをちゃんと制御できるかだろうか。
普通の気筒エンジンでは、圧縮比16とスーパーチャージャーで圧縮着火手前の高い圧縮圧を得たところに、点火プラグの火花で小さな火炎を発生させてダメ押しの燃焼圧を投入し、着実な圧縮着火に持ち込むという。
エンジン始動の冷間時や過給のあまり効かないアイドリング近辺にスーチャーでは過給がおっつきにくい高回転時など、圧縮着火を行えない領域はおそらく吸気バルブの遅閉じで吸気を一部戻すミラーサイクルによって実質的な圧縮比を14以下に落とし、通常燃焼でのノッキングを防いでいるのだと思う。


ところがロータリーエンジンには遅閉じすべき吸気バルブがなく、エンジン側面に吸気ポートの穴が開いているだけ。
回転するローターの通過でこの穴を遮ったり開放したりしているだけの単純な構造なので、可変バルタイやバルブリフトなど任意に吸気タイミングや量を切り替える仕組みの搭載が難しい。


高温になる排気バルブがなく、穏やかに使えば水素を燃やせるほどノッキングに強いロータリーといえどもさすがに圧縮比16のままでの通常燃焼はマズそう。
ハイオクでノンターボなRX-8でも圧縮比は10だったし、直噴を導入しても他のガソリン車と同じ12くらいだろうか。
通常燃焼をアイドリングや低負荷時に限って安全マージンを削っても、スカイアクティブGで限界の14近辺までか。
安定した通常燃焼のためにはやはり吸気弁遅閉じのミラーサイクルが欲しい気がする。


ミラーサイクルをなんとか再現するには、吸気を戻すための穴(噴き戻しポート?)を圧縮領域の最初ら辺に追加すればいいのかもしれない。
そうすれば、圧縮が始まる段階でそこから吸気が適度に抜けて圧縮比を14以下に下げることが可能になる。
圧縮着火に移行する際は、その噴き戻しポートをスロットルバルブやターボの電動ウェイストゲートバルブのような機構を使ってポートのすぐ奥で閉じてしまえば、本来の圧縮比16を確保できる。
低温低圧の吸気だし、本格圧縮が始まる段階ではローターそのものによってそのポートも完全に閉じられているはずなので、大きな負荷がバルブにかかって圧縮着火に必要な圧まで抜けてしまうことはなさげ。




ローター1回転で3回も爆発するロータリーに、圧縮着火に最適な圧力の吸気を大量かつ緻密に供給し続けるには過給機も大変そうだ。
低回転時のスーパーチャージャーに高回転時の大容量ターボという2段構えがいるかもしれない。
RX-7のように大小2つの排気タービンというシーケンシャルターボだと、立ち上がりやトルクの谷間や全開バトルの途中でセカンダリータービンが止まらないか不安でしかたな…(ry


1段目がエンジン駆動のスーチャーなら、立ち上がりが早く制御も容易で谷間をうまく消せそうな気がするし、なにより来年には直4の圧縮着火エンジンでの運用が始まり信頼性が高い。
2段目がターボだと風任せで制御が大変そうだが、ロータリーは点火プラグが1ローターに2つあってダメ押しの火花も2倍なので、過給を抑え気味にしてノッキングへの安全マージンを多少広くとっても圧縮着火に持ち込みやすいという利点がある。
噴き戻しポートを圧縮着火モードでも全閉せずに少しだけ隙間を開けておけば、万一ターボの過給圧が高まり過ぎて圧縮着火の適正範囲を超えてもそこから余分な圧が勢いよく抜け、激しいノッキングをやわらげるフェイルセーフな調整弁の役割も果たせるか。


一般の圧縮着火であればダメ押し時の燃料噴射は無しか最低限にしてなるべく超希薄燃焼のみで燃費を追求したいものの、スポーツユニットなロータリーはやはりパワー指向になるので、最後に濃いめの燃料を噴いて着火する通常燃焼を積極的に取り入れればパワーも確保できるかもしれない。
そこで大きめの燃焼圧を得たら、ターボ過給が安全運転でも周辺部は圧縮着火して超希薄燃焼してくれそう。
過給圧が圧縮着火のそこそこ手前で高温の排気バルブが無いロータリーであれば、点火プラグがなくて高圧の発火温度で大部分の燃料を噴射せざるを得ず混合気になりきる前に燃えて不完全燃焼のススが出やすいディーゼルよりかは、ノッキングせずに綺麗に混ざって完全燃焼しやすい。


通常燃焼の占める燃料割合が多くなるとその分だけ燃費は落ちるものの、パワーの確保と細かい制御の難しいターボ過給での圧縮着火が可能になるか。
ターボは排ガス作動なのでスーパーチャージャーと違って過給にエンジン出力を使わないため、燃費悪化もある程度は相殺できる。
それにロータリーの方でターボを試験運用しておけば、そのノウハウを直4にフィードバックしてパワー型のターボ過給圧縮着火エンジンが上級グレードやアメリカとかで走りそう。




高い圧縮比によるアペックスシールなどへの攻撃性については、新型の「16X」エンジンはロングストローク型なので低回転化でしのぐしかなさげ。
超希薄燃焼がメインなら投入される燃料の量は少なくなるので、燃焼という爆風もそれだけ穏やかになり、圧縮比の高さを相殺できるかもしれない。
ススが発生しにくければ、それがシールにたまって圧縮漏れが起こることも防げる。
そもそもシールが難しくて圧縮が漏れやすいという話もあるものの、その時は通常燃焼による着火でやはり強引に希薄燃焼に持ち込むしか…。




ただ、噴き戻しポートを追加した8ポート吸気にツインチャージャーというシステム構成だとかなり高コスト。
高圧の直噴インジェクターも、超希薄で均一な混合気用はハウジング上部に、ノッキング対策やダメ押し用には燃焼室内と2本必要だろう。
一時停車時にはセルモーターで空ぶかしを入れて、ロータリー特有のオイル噴射や未燃焼ガスとかでプラグがかぶらない独自のアイドリングストップ機構も欲しい。
といった複雑なシステムに1.6リッターターボのハイパワーだと、500万円以上でないと販売できそうにない。
シャシーは次期アテンザで噂される大型FRプラットフォームの前後オーバーハングを切り落として搭載か。


実際にどんな形になるかや本当に復活するのかは全く分からないものの、ロングストローク化とスモールボア化で効率改善を図った新型の「16X」が何年も棚ざらしなままなのを見ると、圧縮着火なりハイブリッドなりミラーサイクルやアイドリングストップなり、最新技術の導入と今風の必須装備がなければ最新のスポーツカーにふさわしい燃費とパワーと技術力とを誇示できない、ということなのかもしれない。
もはやRX-8のように250万円から買えるようなことはなくても、マツダの象徴であるロータリーにはいつの日かまた復活して欲しい。


でもできれば、高回転用のターボを省き吸気ポートも高回転側を2つ削った廉価版を、次期アテンザにでも積んでくれないだろうか。
そうすれば400万円くらいになって非常にお買い求めやすく……なってないか。
ディーゼルはシーケンシャルターボとコモンレール噴射装置と排ガス浄化システムがかなり高価な上に振動と騒音が大きいので、低コストで低振動で静かでオンリーワンで燃費が大幅に改善された圧縮着火ロータリーはディーゼルより上級セダンに向いてそうな気がする。
ロータリーであれば直4ターボなど問題とせず、V6や直6にフラット6すら凌駕する独自性と希少性で高級セダン市場を戦える。
いやいっそノンターボのただのミラーサイクルロータリーを屋根の開閉機構を省略したただのハードトップロードスターに搭載すれば、双方のブランド戦略にかなり支障をきたすような気がするものの 300万円台も夢ではない!



 
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