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2019-01

セレナe-POWERよお前もか

セレナにハイブリッドな「e-POWER」が追加された。
セレナには伝統と信頼の鉛バッテリーで非力なオルタネーターを申し訳程度に加速にも用いる簡易なマイルドハイブリッドしかなかったため、待望の本格ハイブリッドになる。


セレナeパワーという名前のとおり、「電気自動車のまったく新しいカタチ」というキャッチコピーが印象的なノートeパワーのシリーズハイブリッドというシステムを搭載している。
シリーズハイブリッドはエンジンが発電に徹してモーターで走行する方式で、ノートは外部充電できず100%ガソリンエンジン駆動の純然たるハイブリッド車であり、いわゆる電気自動車ではない。
それにまったく新しい方式かというと、原理的には非常にシンプルなのでその歴史はプリウスよりはるかに古く、第二次大戦中にはポルシェティーガーが採用している。
そのシリーズハイブリッドをベースにより高度なシステムにしたものを、アウトランダーPHEVとアコードハイブリッドが実はノートより先に搭載。
そういったシステムを「電気自動車のまったく新しいカタチ」とうたうコロンブスの卵的な発想が実は一番革新的だといえなくもな…(ry


他にも急にメディアが大々的に取り上げて驚いたセレナの自動運転は、高速道路の同一レーンでしか機能せず既に他社から出ている運転支援システムと何がそんなに違うのかよく分からなかったり。
まあそんな過去のハテナは置いといて、そろそろ話題のセレナeパワーに注目したい。




エンジンとモーターはなんとノートと同じ型番になっている。
小型車とミニバンが同じで大丈夫かと思うかもしれないが、ノートのモーターはリーフ譲りの超強力な奴を採用しており、セレナには新型リーフの最新制御でパワーアップした136馬力・トルク32.6kgのものが搭載されている。
3リッターエンジン級のトルクがあればミニバンでも全く問題なさげ。


不安なのは1.2リッター直3エンジンの方だろうか。
まさかエンジンまで踏襲するとは思わなかった。
とはいえ一応ノートよりパワーアップされているので、市街地では1.2リッターエンジンの発電でも大容量なリチウムイオンバッテリーとの組合せで不足はなさそう。
むしろ小排気量・少気筒数なダウンサイジングエンジンで燃費的に有利とさえいえる。


ただ、セレナはノートのような小型車ではなく多人数乗車を前提とするミニバンである。
人や荷物を満載しての郊外へのレジャーやゴルフに帰省では山を越えることもあるだろうし、トランスポーター的に高速道路を長距離走行することすら想定される。
そんな長時間の連続高負荷走行だと、いくら大容量バッテリーの支援があっても発電ロスやモーターの熱損失も伴う1.2リッターエンジンで大丈夫なのだろうか。
モーターが強力でも電力供給が追い付かなければパワーを絞らざるを得ないため、日産がどのあたりまでの状況を想定しているのかがちょっと気になる。




もっと気になるのは、エンジンによる直接走行を可能にする直結クラッチを搭載していないことだろうか。
郊外や高速道路だと加減速が少ないのでエンジンは効率的な回転数を維持しやすく、発電ロスやモーターの熱損失を伴うモーター走行をするよりかはエンジンで直接走った方が効率はよくなる。
アウトランダーPHEVやステップワゴンハイブリッドはその直結クラッチを搭載しているため、市街地ではエンジンは発電に徹し、巡行状態ではエンジン直結で走るというふうに効率のいい方式を巧みに使い分けている。


小型車のノートならシティーコミューターとしての使用がメインなので、そこは市街地運用に割り切って低コスト化を図った、というのも1つの見識だと思う。
ただ、ノートより大型で長距離巡行もメイン用途に含まれそうな主力ミニバンの、しかも低燃費がウリなハイブリッドでそこを割り切るというのは少々思い切り過ぎかなと思わなくもない。


ステップワゴンハイブリッドは2リッター直4エンジンを積んでおり、それで直接高速巡行できるので郊外や高速といったシーンでは燃費的にセレナより有利か。
パワーの方も、追い越し加速などではセレナの1.4倍ほど馬力の大きいモーター(184馬力・トルク32.1kg)を追加投入できて更に強力。
郊外や高速をよく使うといったユーザーならステップワゴンの方がシステム的には向いていそうだ。




現行のJC08なモード燃費ではセレナ26.2kmにステップワゴン25.0kmで、最新のセレナの方が低燃費になっている。
ただ、現行のモード燃費は積載重量が少なく速度域も低く、実燃費との乖離がハイブリッドは特に大きいことで評判なのであまり当てにはならない。
次のWLTC方式だとそのあたりが改善されてより実燃費に近いとのことなのだが、そっちだとステップワゴンは総合燃費で20.0km。
では最新のセレナが何キロかというと、なんと非開示。


WLTC方式では市街地・郊外・高速の各モードでの燃費も出るし、実燃費との乖離縮小も含めて車の実力がハッキリ出やすい。
どのみちWLTC方式は10月から表示が義務化されるわけで、ステップワゴンのように今から表示してくれた方がユーザーは自分の使い方にあわせた実燃費を想像しやすく親切。
それに最新のセレナなら当然新規準を見据えているはずで、そこでもステップワゴンに優越するなら新旧モード燃費でともにライバルを粉砕してeパワーの優秀さをアピールできるのだが、セレナがそうしないのはもしかして今や時代遅れなJC08モード以外は「お察しください」ということか。
市街地走行以外は苦手そうなセレナだけに、郊外や高速が追加されるWLTCモードに不安が残る。




セレナはステップワゴンから直結クラッチを省き、エンジンもかなり小さくシステム構成的にはノートと型番まで同じなので、ステップワゴンよりも割安なのかと思ったら意外とそうでもない。

ステップワゴンスパーダハイブリッドが、自動ブレーキ・LEDヘッドライト・16インチアルミで330万円。
セレナハイウェイスターeパワーが、自動ブレーキ・ハロゲンヘッドライト・15インチアルミで318万円。

一見するとセレナの方が安いようにも思えるのだが、ハロゲンとインチダウンでほぼ互角だろうか。
小排気量エンジンでシステムを成立させるために、高価なバッテリーを多めに搭載しているのかもしれない。
ただ、セレナにはノーマルな外観のeパワーも用意されていてそちらは297万円と、スパーダしかないステップワゴンより30万円ちょっとお安く300万円を切っている。
本格ハイブリッドでもお手頃なノーマルモデルを用意するあたり、セレナの性能を逆手に取った日産の巧みな営業戦略のように思える。




というように、セレナeパワーは市街地での運用にこそ真価を発揮する車なような気がする。
実際、ミニバンでも市街地でのちょい乗りばかりで軽自動車と大して変わらない使い方をしている人も多そうだ。
そうした運用であればセレナはピッタリではなかろうか。

「直結クラッチや2リッターエンジンなんて飾りです。マニアにはそれが分からんのですよ」

という日産整備士の声が聞こえてくるようである。


一方、郊外や高速道路も多用するという人や、パワーに余裕が欲しいとか、凝ったシステムの車が欲しいという人にはステップワゴンの方が向いているだろうか。
高速での豪快なパワーと巡行に徹した時の低燃費が生きてくる。


最後にちょっと気になるのは、セレナが「ハイウェイスター」の名を冠するにもかかわらず「高速道路の星」と呼べるのが実際にはステップワゴンの方になってしまっている気がすること。
その思わぬギャップに、「電気自動車のまったく新しいカタチ」をうたったノートのことをまた思い出す。
日産の宣伝戦略は本当に私を魅了してやまない…。



 
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コメント

使い回しの日産

今まで多くの燃費重視の車が、「カタログ値と実燃費の差が酷い」と叩かれてきました。

トヨタのハイブリッドを筆頭に、イースやスカイアクティブGもその内に入るのかもしれません。

しかし、ここまで露骨に実用燃費を無視した機構は前代未聞です。
正に革新的!


電池の容量を少々でかくしようが、エンジンの最適回転数から供給される出力は小さいままな訳ですからね。

ダラーッと加速してすぐに停まる計測ならば、確かに誤魔化しは利くんですよね。

正に計測値だけの薄いメッキ。

<span style="background-color:#FFFF00;">1モーター2クラッチ</span>が一番合理的で良いんですけどね~

<span style="background-color:#FFFF00;">1モーター2クラッチ</span>だって、赤信号で停車中にシリーズ方式みたいに充電すればモーター走行は効率が変わらないし。

例えば、低速で走りたい時に、モーター走行出来ない位に電池残量が少ないと仮定します。

その場合にエンジンを最適効率で廻すと速度が出過ぎる状況なら、モーターで発電の方にエンジン出力を奪い、電池に退避させたっていい訳です。


同じ軸上に有るからモーターとエンジン出力を単純に合算して使えるし、エンジン抵抗を切り離して加速,回生も出来る1モーターが一番理に叶ってる事は明白なのに。

ただ、高速道路等でモーターは使わずエンジンだけで走行したい場合、モーターのつれ回り抵抗というのは有るんですかね?


それと、FRはATで出来たけど、FF用(エクストレイル)は幅が足りないからCVTと合わせてるみたいで駄目なんですが。

ハイブリッドは回生と並んで、エンジンの効率が良い所を使う補助の役割が大きいのに、CVTの伝達効率の悪さだけが足を引っ張るだけで、最低な組み合わせです。

Re: 使い回しの日産

eパワーは摩擦損失の小さい1.2リッター直3なので、軽負荷で加減速の多い市街地に限れば実燃費も割と期待できる気がします。
ただ、高負荷な多人数乗車や山道、郊外・高速では、小排気量で直結クラッチが無いため動力性能も実燃費もかなり悪化しそう。
WLTCモードの燃費を非開示にしてそのデメリットをギリまでユーザーに伏せたいのかなと感じさせるのがいつもの日産らしくて苦笑。


1モーター2クラッチ式は走行と発電を1つのモーターでまかなうため常に役割の取り合いになり、大パワーモーターを搭載しても走行に回すとすぐに電力不足に陥ってうまくハイブリッド運用ができなくなるかもしれません。
システムを成立させるには低パワーなモーターでエンジン走行主体にする必要がありそう。
2モーター式に比べてシステム限界が低いと運用効率も悪化し、ハイブリッドのメリットが小さくならざるを得ないかも。
軽量で低パワーのデメリットがでにくい小型車か、逆に高速巡行を意識して本格ハイブリッドである必要性の薄い大型セダンのフーガなどに向いていそうです。


モーターは発電機にもなるので、磁界が発生して引きずり抵抗になるのかなと。
フィットのデュアルクラッチのように並列的な配置ならモーターをクラッチで系統から切り離して抵抗はカットできると思います。


スバルもせめてターボモデルは多段ATに戻って欲しい…。

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