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2019-01

島根と石川で空飛ぶ車の導入実験?

かつてはSF映画の世界の存在だった空飛ぶ車が最近にわかに話題で、日本でも実際に導入しようという動きがある。
今回の奴は極めて短い距離で空に飛びあがり、着陸は垂直にできるという。
これなら狭い日本にもピッタリ。


検討しているのはヘリやドローンと違って固定翼を持つタイプなので航続距離が長く、音速も突破でき、おまけにレーダーにも映りにくい最新機種らしい。
まずは自衛隊に導入だそうで、滑走路の短い離島への展開が容易だし、航空基地が先制ミサイル攻撃で滑走路をやられてもシェルターで飛行機さえ無事なら残った滑走路や付近の道路から飛び立てる。
更に、こないだ就役した「いずも型」の護衛艦でも運用可能らしい。
つまりなんのことかというと、F-35Bの話である。
(以下、普通の車の話は今回出てきません…)


そうするとそれは空母で攻撃型兵器だから専守防衛の範囲を超えるのではないかという話になるのだが、護衛艦にF-35Bを搭載しても他国の侵略に使うことは実は難しい。
どうしてかというと、空母を有効に運用するには早期警戒機の搭載が欠かせないのにこれを搭載しないから。


早期警戒機がないと上空から艦隊周囲の水平線下の索敵ができないので、敵機の低空侵攻を許して脆弱かつものすごく貴重な空母が空対艦ミサイルの餌食になってしまうため、敵制空権下への侵攻には恐ろしくて使えない。
強力な広域レーダーによる攻撃隊の管制や迎撃機の探知もできず、敵地での制空権の確立や航空攻撃に支障をきたす。
個々の戦闘機のレーダーは小型で探知距離や角度に制限があるし、最前線の戦闘機がレーダーを使うとステルス性の有利が失われる。
早期警戒機や僚機とのデータリンクで戦況を把握して戦う現代戦では、艦載型の早期警戒機が無いと攻撃型兵器としての空母の運用は難しい。


ハリアーを運用するイギリスはヘリに吊り下げ式レーダーを積んで早期警戒機としているようなのだが、ヘリだと滞空時間やレーダー性能や戦闘機への随伴性などの能力面で固定翼機に劣ってしまう。
F-35Bと同じく短距離離陸垂直着陸ができるオスプレイなら護衛艦にも搭載できるので、これを早期警戒機に仕立てればかなりその不利を消せそうなのだが、現状は構想レベルに過ぎずはたして実現するかも分からない。
大きなレドームがプロペラを真上にすると干渉しそうだし、フェイズドアレイレーダーを機首・側面・尾翼付近に張り付ける空中イージスだと費用が凄そうで、ヘリと同じ随時吊り下げ式だと性能が不安。
それに米軍は原子力空母を何隻も持っていて特に困っていないので、小型空母を有効に運用できる早期警戒機の存在など自軍の絶対的有利が揺らぐことになりかねず、積極的に開発しないのではなかろうか。




というわけで、地上配備されている早期警戒機の行動範囲内でしか有効に運用できないような空母では他国の侵略は難しい。
では空母の本懐である?敵地侵攻に使えないような脆弱な空母に何の意味があるのかというと、国威発揚や威嚇以外にも使いみちはある。


日本は国土が異様に細長い上に島ばかりなのでそもそも防衛が難しい。
奇襲を許しやすく一度占領されると限られた遠くの飛行場や港から長躯して駆け付ける不利がある。
これが内陸国なら地続きなのでとりあえず陸軍を展開できたりしてそんな面倒はないのだが、海洋国家な日本には機動防御のために一定規模の逆上陸部隊と、そのエアカバーや近接航空支援を緊密に実施できる空母がないと有効な国土防衛が困難。


特に専守防衛だとまず敵に先制攻撃されるので、もし紛争を想定するなら初手で奪われた島しょ部の奪還というケースになりやすい。
そしてすぐに奪還しないとそこを橋頭堡にされて更に侵略される。
あらかじめ奪還する手段を持っていたら即応できるし、そんな部隊があれば相手もうかつに侵攻できず抑止力となって未然に紛争を阻止する効果も期待できる。




それでも将来的に早期警戒機を配備すれば侵攻に使えるからけしからんということになると、輸送機や輸送艦も兵士を運べて問題に。
戦闘機の空中給油機能までそれで余分なコストを掛けて外したことが昔あったが、国土上空での防衛に使える時間も短くなるので運用効率が悪化し防衛力の低下を招くなど、角をためて牛を殺すことにもなりかねない。
どんな兵器でも攻撃と防御の両方に使える側面があるので、そこに過度に気を配って無理に性能を落とすと高額予算の盛大な無駄遣いになる可能性がある。
C-1輸送機などは確か配備された瞬間に沖縄が返還されて航続距離不足が露呈する始末。
四半世紀以上のスパンで運用する兵器にあらかじめ冗長性が無いと、将来の状況変化に対応できなかったり、性能向上の足かせになったり、極限下の肝心な局面で役に立たなかったりして取り返しのつかないことになる危険性を抱え込む。
それよりかは文民統制とかに気を配った方が賢明なのかもしれない。


それに今の日本は、どちらかと言うと侵略される心配の方が先だろうか。
領土的野心を隠さない隣の大国や、既に島を占領していて反日に余念のない隣国に、核ミサイルで焦土にしてやると脅す独裁国家。
隣国を内戦状態に追い込んでまんまと実効支配するなんでもありのかつての超大国など、積極外交にちゅうちょしない多彩な面々に囲まれている。
そんな中で悠長な専守防衛をうたい有効な反撃能力すら持たない状況だと、憲法に保障された国民の権利を他国から守れるかいささか心もとない。


中立を宣言してもベルギーはドイツに占領されたし、ウクライナはロシアに侵攻していないのに領土を奪われている。
中国はチベットを激しく弾圧しているし、北朝鮮はどうやら地上の楽園ではない。
民族対立がどうなるかはユーゴスラビアやロヒンギャの例を見ても悲惨だ。
もしよくある歴史の不幸にならって紛争が勃発し、占領された場合を考えるとあまり愉快なことにはならないか。


丸腰で説得しかしない警官では平和を守れそうにない。
武器を実際に所持し、必要な時にはそれを行使することで社会秩序を維持しているというのが残念な現実ではある。
警官は不要もしくは丸腰で説得しかしてはいけないと主張する人がいれば、それは犯罪者側の人か、テロリストか革命家か、その国を混乱させて衰退させたい良くない勢力の人かと思ってしまう。
犯罪と同じく世の中に戦争や民族紛争という理不尽が満ちている中、戦力の扱いはどうすべきなんだろうかとふと思ったり思わなかったり。


とはいえ、もちろん私自身は天声人語を受験のためによく読んでいたので、もちろん平和憲法が一番だと思っている。
粘り強い平和外交だけが唯一にして絶対の平和維持策なのである。
高い理想を持って同盟も自衛隊も全て手放し、丸腰で胸襟を開いて隣国と誠心誠意話し合えばきっと向こうも感動して分かってくれるはず…。




それにしてもF-35Bの導入かあ。
意外に早かったな。
いずも型は当然将来の搭載可能性を見越して建造されているはずで、むしろ考慮していなければ税金泥棒と怒られかねない。
ただ、航続距離や爆弾搭載量を増やすスキージャンプ台の設置までは当面見送るかもしれない。
改造が大掛かりだし、それにまたぞろ攻撃型兵器の不毛な議論を呼びかねない。
だから定期改修時にでもそっと設置するのではなかろうか。


いずも型2番艦は「かが」なのだが、早期警戒機がないと今度もまた索敵で後れをとって沈みそうなのが心配。
やはり米軍や英軍と共同開発でオスプレイ型の早期警戒機が欲しいところ。
そうすれば地上の飛行場が被害を受けても独力で反撃できる。


少し小型な「ひゅうが型」もエレベーターの能力強化やスキージャンプ台の設置で甲板長を補えばF-35Bを運用できるのか気になる。
戦闘艦として初の全通甲板を採用した関係で、空母議論を避けるためにか少し小型で舷側エレベーターもない。
ギリ軽空母サイズなものの、搭載機数や航空燃料・弾薬庫・整備スペース増設などに余裕が無さそうで、大規模改造するより新規建造の方が効率的なのかどうかはいずも型の運用結果次第だろうか。
艦載機不足や着艦不能で航空戦艦として活躍できなかった伊勢・日向のことを思うと、「ひゅうが」「いせ」にはぜひ着艦可能な本格空母として改装して欲しい気もするもののはたしてどうなるか。



 
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