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2019-04

リーフの再生バッテリーという福音と墓標

日産が旧型リーフの中でも前期型の時からある24kWhの方の再生中古バッテリーの販売を開始するそうな。
新品が税抜65万円で今回の中古が税抜30万円だそうなのでおおよそ半額。


気になる性能の方は、12セグメント中10セグメントの容量があるとのこと。
それが何%かはアナウンスされないので、一応12セグが等分と考えると10セグで75~83%の範囲。
ほぼ8割といったところだろうか。
中古の再生品なのでもちろん100%になどなるはずなく、90%も難しいだろうなと思うと妥当なところかもしれない。


とはいえ80%程度というのはあまり余裕のある数字ではない。
新品と比べればハッキリと分かる程度には劣化しており、24kWhという低容量が更に少なくなる。
そこに30万円の価値があるかどうかは悩ましい問題かもしれない。




旧型リーフは、新車だと5年か10万キロのどちらか早い方で9セグを割り込むとそれ以上にバッテリーを復帰してくれるという保証があったりする。
一応そのあたりが実用限界と考え5年以上乗って9セグを割り込んでくると考えると、単純計算で66%以下ということになりおおよそ6割前後に。


消費税や工賃込みで35万円ほど?かけて再生品で6割を8割まで復帰させるか、70万円ちょいかけて新品にしてしまうかという選択になるような気がする。
半額の中古で2割、新品でもう2割の容量復活と考えると一見そんなものかなと思わなくもない。


ただ実際には、70万円以上かけて旧式低容量バッテリーを新品に替えるくらいなら、多くの人は旧型リーフを下取りにだして1.6倍以上のバッテリー容量を持つ新型リーフに乗り換えそう。
なので再生品にするかどうかという問題になるわけなのだが、航続距離で考えるとそれも微妙になってくる。


新品で228kmなので6割だと約137km、8割だと約182km。
その差は45kmなのだが、実燃費として7掛けにすると30kmほどになってしまう。
同じく7掛けで100kmほどしか走らなくなった車の航続距離が1.3倍に伸びると考えるか、普通の車で2リットル給油した程度しか伸びないと考えるか。


結局のところ、税抜30万円で新品なら魅力的なのだが、航続距離が半分近くになるまで我慢して使う人が大規模車検にも匹敵する価格で再生品に交換するかは難しいかもしれない。
シティーコミューターとして割り切って使うなら劣化したままの137km程度でも困らない。
それでもプラグインハイブリッドのEV距離の目安な50kmの倍以上あるわけで、日常生活には十分だろう。
2割45kmの不足で遠出ができないと嘆く人はそもそも旧型の前期型を購入していなさそう。




では今回の再生品の販売は無意味かと言うと、そうではないと思う。
再生品があれば高価でレアメタル満載のバッテリーがリサイクルされてエコだし、なにより旧型リーフの中古価格が持ち直すかもしれない。


中古のリーフはバッテリーの劣化問題で価格の低下が著しく、大きな問題になっているらしい。
EVで一番重要なバッテリーがどんどん劣化するのだからそれもむべなるかな。
ただでさえ充電など扱いが面倒なEVの、航続距離が半減して不便な奴を高値で買おうという人はあまりいない。


ところがそこに安価な再生バッテリーがあれば、売れないと思っていた在庫が復活することになる。
日産ディーラーであれば30万円より安価に調達できるだろうからなおさらだ。
廃車にする時も、一番高価な部品だったバッテリーが再生品や果ては住宅用蓄電池に街灯のバッテリーとしてリサイクルできるとなれば価値が上がる。
それやこれやで下取り価格が上昇すれば既存ユーザーの不満は解消され、新型の人気を維持しやすく、乗り換えも期待できる。




旧型リーフを買った人は、アーリーアダプターと呼ばれるアンテナや意識が高い人か富裕層、新し物好きやよほどの車好きに日産が大好きな人たちだろう。
いずれにしてもSNSで自己発信したりコミュニティのリーダー的地位の人だったり大切なファンだったりして、周囲の意見形勢や口コミなどで重要なユーザーが多そう。
それらの人を使い捨ての鉄砲玉や人柱乙という扱いにすると後が怖い。


ある程度の損害はその人たちも事前に覚悟しているにしても、一度も救援作戦が実施されることなく冷然と死守命令を出され見捨てられるという現実に直面すると、やはり士気が崩壊する。
重包囲下のスターリングラードでも解囲作戦は実施されたし、あの日本軍ですらキスカ島撤退作戦は行われ、ガ島では救援作戦にのたうち、沖縄へ向けて大和の特攻作戦は実施されたのである。
士気が一度崩壊すると、それはすぐに他の部隊に伝わってなし崩し的に全軍が潰走しかねない。
EVという新しい部隊であれば古参がおらず、誰も踏みとどまれずに壊滅すらありうる。
そうなれば再び部隊を編成するのは長い時間を必要とする。


発売からもはや8年目に突入し、検査問題で出鼻を大きくくじかれた新型のテコ入れ策に見えなくもないとはいえ、まだ生き残っている先発隊の隊員たちにとって今回の再生品の登場はやはり朗報に違いない。
あと愚痴を聞きながら下取りで不良在庫を抱えたであろう日産ディーラーにも…。




惜しむらくは、この作戦があと1年早く実施されてさえいれば、5年の保証が切れたかなり多くの既存ユーザーが下取り価格の持ち直しで救えただろうし、その流れを新型発売に繋げて代替えの促進も期待できた。
今のようにそれが逆だと、優れた新型の発売で消耗激しい旧型の価値にトドメを刺し、引き立て役として心停止になったところで慌ててAEDを装着し蘇生を試みているようにも見える。
既に力尽きてしまったユーザーが草葉の陰からそれを見てどう思うかを考えると、やはりせめて1年早ければと思わざるを得ない。


もちろん日産にしてみれば、発売から何年かたたないと再生品のニーズも材料となる中古バッテリーも十分な数が揃わないという事情があるかとは思う。
新型の発売で中古の数が増加してやっとマーケットが期待できるようになったという側面もあるだろう。
それでも1年早くて7年目ならまったく早いとは言えず、ユーザー保護からすればむしろギリギリだろうか。


もとよりEVへの投資は先行的な側面が大きいわけで、ある程度の赤字はやむをえない。
費用が先行したとしても、リサイクル規模がまだ小さいならそれは許容範囲内か。
今でも24kWhという古いタイプだけなわけで、それでもそれによって30kWhタイプへの波及などアナウンス効果が期待される。
多少の出費を恐れるより、熱心な先行ユーザーの信頼を完全に失うことの方がよほど怖い。
下取り価格を支えることで、どうせ半年後に発売する新型に代替えしてもらう販売促進費だと割り切れなかったものか。
新たに新型を買うユーザーだって、将来の下取り価格下落にあまり怯えなくて済むというメリットもある。


それとも、再生バッテリーが旧型の延命につながり代替えを阻害すると判断したのだろうか。
前述のとおりそっちの効果はあまり期待できないと思うのだが、もし日産がそう判断したのだとすれば旧型ユーザーにはそっと手を合わせるしかない。




新型だと8年または16万キロで9セグ以上(66.6%?)を保証している。
バッテリーが40kWhにかなり大容量化されたため、負荷を薄く広く分担させて劣化度合を抑えることができるし、同じ劣化容量でも分母が大きければ劣化割合は低下する。
それが保証年数などを拡大できた理由か。


8年もの保証によって、劣化が大きな問題になるのが買って10年程度からだとすれば新型で再生品の出番はあまりなさそう。
10年もたてば普通の車でも価値はほとんどなくなっているし、バッテリーのリサイクルも今より進んでいるだろう。
もしそうなら、バッテリーの劣化で車の価値が激しく毀損するという悲劇はもうおこらないのかもしれない。
それが散っていった者たちへの、せめてもの手向けとならんことを…。( ̄^ ̄ゞ



 
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コメント

まあ電池の劣化等分かりきった上で買ったという前提だから、完全には程遠いにせよ対処するだけマシですね。

リチウムイオン電池の劣化等、身の回りに溢れているのだから、「車に搭載されてる電池だけ劣化が遅いと思った」なんで言い訳は通らない訳で。

後、東京モーターショーで聞いてきたから間違いないのですが、日産は充電源に原子力を前提としていて、それを以て「エコだ」とうそぶいているんだから正気じゃない。

福島,スリーマイル島,チェルノブイリで放射性廃棄物で汚染される最も害悪が強いと実証された原子力がエコとか(笑)

まあフランスでは植民地の国のサハラ砂漠に棄て放題だから、ルノー的に『(自分達だけは)エコだ』という見方も出来るかもしれませんね。

温暖化詐欺&クライメイトゲート事件は広く認知されているにも係わらず「CO2以外はエコかどうかに関係ないんだ!」と教団本部が喧しく喚いているに過ぎず(パリ協定の総本山だけあって)。

微塵もエコではなく、価格も無駄に高く不便を強いられる……
そんなドMな趣味は無いですねぇ。

リチウム空気電池が実用化して、地熱や風力の比率が3割近くにまで殖えれば価値はあるんでしょうけど。

高い設備(電池とモーター)は極力最大限有効に使わないと経済的じゃないのに、日常的には容量の1~2割程度までしか使わない。
で、いざ遠出するとなると足りないと最悪ですよ。

その点前型のPHVプリウスは、1日の平均走行距離に合わせておく事で、毎日無理なく最大限に電池を有効利用出来たから合理的でしたが。

火力発電は熱効率40%が平均と言われていますから、そこから送電ロスや充放電(AC⇔DC)を差し引くと、下手すればプリウスに負けますからね。

ましてや“有限な”ウラン燃料を使う原子力にいたっては熱効率僅か30%ですから。

温暖化詐欺に洗脳された者達は、CO2さえ出なければどれだけ有効に使おうと無駄に垂れ流そうと差異は無いと盲信する『思考停止』なので、相手にする価値は無いと思っています。

事例1.天然ガストラック

ディーゼルより熱効率が悪い通常のガソリンエンジンと同じ熱効率なくせに、「燃料自体に含まれる炭素量が少ない」とか言い出す。

事例2.CO2回収

発電所の発電量の実に2~3相当のエネルギーを無駄に使う。
何の役にも立たない事に余計に燃料を使い、本来より遥かに多大な燃料を棄てる最低最悪な愚行。


事例3.燃料電池

電気自動車と同じく、原子力由来の電気で水素を造る事は公然の秘密というやつです。

電気から水素に変換するロスは意外と少なく、80%位はいくが、水素をいざ燃料電池で使う時には35%位がせいぜいです(PEFC)。

だけど二酸化炭素が出なければ、(電気を使う時を基点として)高効率な電気自動車も燃料電池車も差異はありませんというのが温暖化詐欺狂信者の実態です。

それを逆手に取ったのがマツダの【水素ロータリーエンジン】です。
「だったらエンジンで気持ちよく、15%以下の効率で使おうとも変わりが無いってのがあんたらの主張だよなぁ?好きなように使わせてもらうぜ(笑)」と、痛快な思想が見え隠れしたり(笑)

Re: タイトルなし

最新ガス火力発電でも熱効率は60%程度らしいんでそこから各種のロスを考えると、ガソリンエンジンが圧縮着火とかで50%近くまで達するとハイブリッド化でEVとほぼ互角に。
ただ、各種の再エネ発電の拡大発展を考えるとEVの普及は避けられず、世界的な開発競争に後れを取って致命傷を負うわけにもいかないし、ましてや石油資源を持たない日本は国家戦略的にEVの一定規模の普及は欠かせないのかもしれません

プリウスでもバッテリーの劣化と中古車価格低迷は問題になりましたが、より顕著なEVでは丁寧な対応で市場をうまく立ち上げる必要があります。
しかし何かとやっちゃう日産では新車に交換した初期レクサスのような神対応は当然期待薄で、それどころかどうも色々と後手に回っているような。

現状、重く高価で劣化の激しいバッテリーはせいぜい初期リーフ程度の搭載に留めて、安価軽量なシティーコミューターに特化した方が効率的かなと。
たまの遠出にも使いたい人にはレンジエクステンダーな2気筒エンジンでも非常用に積んで対応し、遠出が頻繁な人はPHVですかねえ。

水素自動車は、極低温な液体水素の生産・輸送・貯蔵が大変なのでEVより大変かも。
重量比で長距離輸送トラック用にはEVより向いてそうなので、工場副産物の水素で拠点間流通用トラックにはいいかもしれません。

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