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2019-01

やっぱり自動運転じゃなかった?

国の主催する検討会において、「自動運転」の名称を宣伝で使う際のルールが決まったらしい。
これによって今まで自動運転と宣伝されていたものの大半が「運転支援」などに変わるようだ。


今の市販車における自動運転技術はレベル2までのものが大半で、車線維持やオートクルーズや自動ブレーキなどの組合せで基本的には常にハンドルに手を添える必要がある運転補助に留まる。
緊急時や想定外の事態以外は手放しで勝手に車が目的地まで走行してくれるレベル3にはほとんどの車が対応していない。
それなのに「自動運転」を強調した販売が行われ、それを勘違いしたユーザーが機能を過信し過ぎて事故をおこすケースが出てきて問題視されているらしい。


このことは事故の誘発だけでなく、公正な販売競争の支障にもなりかねない。
一般人が通常イメージする自動運転に到達していないレベル2の現状で「自動運転」を過度にうたうことは、消費者に手放しでも大丈夫だろうという誤解や油断を与える恐れがある。
そういった事故に繋がる可能性を危惧したり、イメージと現実との落差に対する不満やクレームを憂慮したメーカーが「自動運転」の表記を自重してしまうと、たとえ自動運転機能の性能に差はなくても、販売競争上は「自動運転」を掲げて先進的なイメージを打ち出すメーカーより不利になってしまう。


2年前くらいに日産のセレナがプロパイロットという「自動運転」を引っさげて登場しマスコミが大騒ぎした時には、高速道路の単一車線上という限定状況下で車線維持やオートクルーズをできることが、果たして本当に自動運転なのかと少し困惑した覚えがある。
機能的にも他社から類似のものが既に出ていて今更だし、日産の製品が特別優れた性能を備えているかというとどうもそんな感じではなく、逆に熟成はこれからという試乗記も散見された。
それでも確かにレベル2を実現しているので自動運転には違いなく、ルール的には全く何の問題も無いのだが、降ってわいたような騒ぎには多少の違和感を感じなくもなかった。
メーカーの宣伝戦略とマスコミの取り上げ方は、この頃から既に今回の変更に至る芽をはらんでいたと言えるのかもしれない。




似た問題はいわゆる「燃費スペシャル」グレードにもあり、燃料タンクの奥をふさいだり、最廉価モデルだけに高価なアルミ外板やリチウムイオン電池をおごったり、装備の省略どころかシートすら専用の簡易なものに取り換えるなど。
実用性やコスト配分を二の次にしたあの手この手の軽量化で燃費計測に有利な1つ下の重量区分に滑り込み、計測マジックで得ただけの実燃費とは掛け離れた数値を掲げて激しい販売合戦を繰り広げていた。
そんなことをホンダのフィットやトヨタのプリウスを始めとして各社が多かれ少なかれ行っていたのである。
しかし新しいWLTC計測法に切り替わるとその車の車重に応じた負荷になるので重量区分でのボーナスがなくなり、ようやく過度の不毛な燃費スペシャル争いに血道を上げる後ろ向きな努力に終止符が打たれることになる。




ハイブリッド神話もそうで、以前のセレナ・ハイブリッドと言えば鉛バッテリーを2つ搭載しただけのものだった。
それでオルタネーターを走行用にも一応使うというらしいのだが、高効率な大容量バッテリーと強力なモーターを搭載しないとなかなかハイブリッドの効果は引き出せないため、性能的にはアイドリングストップに毛が生えた程度だろうか。
それだとあまりにマイルド過ぎるわけなのだけど、鉛バッテリーであっても搭載量が2倍になったと言えるところがウマイと思う。


スズキのエネチャージも渡辺謙さんが「発電」を強調していたものの、発電自体はあらゆる車がしており、搭載のリチウムイオンバッテリーもノートパソコンサイズだと性能的には…(ry
それでも鉛やニッケル水素より高性能なリチウムイオンバッテリーを積んでいると言えるところが…(ry




日産の「eパワー」がうたう「電気自動車のまったく新しいカタチ」という宣伝コピーもなかなか秀逸。
ノートやセレナに搭載されるeパワーには発電専用のエンジンが搭載されており、中身は普通のシリーズハイブリッドなので燃料は100%ガソリンになっている。
電気自動車にも使う走行用モーターを搭載しているのでドライブフィールは確かに電気自動車並なのだが、重要なのは多分そこじゃない。


電気自動車がもてはやされるのは、燃料が二酸化炭素をほぼ出さない原発や再生可能エネルギー、もしくは高効率火力発電から生み出された電力を充電して使うからエコで、次世代環境車の本命の1つとみなされているからのはず。
それがプラグインハイブリッドにもならず、100%ガソリンのみで既存エンジンを動かし、燃費も他のハイブリッド車並となれば、環境性能としては電気自動車とは全然違う存在になる。


そこが「まったく新しいカタチ」ですよと言われてしまうとそれまでなのだが、電気自動車の一般的なイメージは「次世代のエコでクリーンな環境性能」であって、「走行用モーターによる鋭い加速とアクセルオフでの強烈な回生発電ブレーキがもたらす独特のドライブフィール」ではないように思わなくもない。
eパワーが持っているのはあくまでドライブフィールの方なので、「電気自動車のまったく新しいカタチ」だとそこのところを消費者に誤解されないかと少し気になる。




てな具合に、メーカーの宣伝内容をよく見てみるとなかなか面白い。
ところがそう面白がってばかりもいられないのがライバルメーカーや行政だろうか。
シェアを落とせば死活問題だし、機能を誤解した人による事故が増えると変わり身の早いマスコミが騒いで社会問題になる。
かくして今回の変更騒動になったような気がする。


それにしても、どこが不満を訴えて今回の運びになったのかを想像すると色々と興味深い。
ひょっとして、「やっちゃえ日産」が色々とやり過ぎちゃって他社の反感を買ってしまったのだろうか。
宣伝戦略が巧み過ぎるのも時に考え物なのかもしれない。



 
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コメント

多分、同業他社は黙認するのではないかと思います。

豊田章男社長になってから『ハイブリッドの比較カタログ』とかネガティブキャンペーンはやらなくなりましたし、他社もやりそうにありません。

これは公正取引委員会が取り締まるべき独占禁止法に抵触する一つで、【優良誤認】でしょうね。

買ってなくても原理が解る人が通報とかは考えられます。

口八丁手八丁は駄目だって事ですね。

まあ公正取引委員会が動き出す事はまずなく、その前に今回みたいに別の所が諫めたりする訳ですが。

本来は某・コストカッターが多くの部品会社に突然「3割引にしろ!」とかいうのも独占禁止法の一つ、【優越的地位の濫用】として取り締まるべきなのでしょうが、大会社相手だと公正取引委員会は全く動きません。

自由市場主義が行き過ぎると歪みが起こるから、原価割れするような親会社からの要求を取り締まるのが本来の役割ですが、全く機能していません。

今回の動きは歓迎すべきものだと思います。

Re: タイトルなし

自動ブレーキの方も性能はいろいろあるようですが違いがなかなか分かりにくい。
ハイブリッドはモード燃費でまだ差が分かりますが、そっちはもう少し比較や違いを客観的な評価でアピールして欲しいものです。

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