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2019-04

新型インサイトはもはやプリウスを敵としない

3代目となる新型インサイトが発売になった。
価格は326万円からで、先代が200万円ちょいだったことを考えると随分高級化している。
プラットフォームを共有するシビックセダンが265万円なのでハイブリッド化で300万円、高級化で320万円という予想は残念ながら当たってしまった。


とはいえインサイトはシビックやプリウスと違い純正カーナビが標準装備なので、その関連装備とかのことも考えると実質300万円位なのかもしれない。
そうすると割と頑張った価格に見えてくるものの、やはり326万円からでは敷居が高い。


歴代インサイトのライバルであるプリウスの中心価格が200万円台後半なことを考えると、326万円からというのは完全にプリウスの上をいっている。
プリウスがハッチバックで大衆的なのと比べると、インサイトはセダンのみで完全な上級セダン路線。
つまり新型インサイトはもはやプリウスを敵としていない。
初代がNSXばりのオールアルミボディの2シーターでがむしゃらにプリウスの燃費を追いかけ、2代目でハイブリッドに価格革命を起こそうとして、後出しの3代目プリウスに完敗したインサイトではもうないといえる。
プリウスコンプレックスを克服し、それを超える存在として君臨しようとしているのだ。


と言えればカッコイイものの、実際には挑戦を避けただけのような気がしないでもない。
プリウスと同じ価格帯のシビックにハイブリッドがあればまだこの布陣にも納得できたのだが、実際にはシビックセダンの265万円とハッチバックの280万円はただの1.5リッターターボで燃費でプリウスに完敗し、価格の方は互角という状態になっている。
あれだけプリウスに挑戦し、ようやく高効率な2モーター式を投入できるようになったというのに、そこでプリウスとの勝負をかたくなに避ける価格戦略というのはイマイチ理解しにくい。




新型インサイトは、価格的には329万円からのカムリ・ハイブリッドとバッティングしている。
上級セダン路線なのも同じ。
ところがカムリは全長4.9mで4.7m弱なインサイトとは1回り違う上に、2.5リッターの排気量はインサイトの1.5リッターを大きく上回る。
走行用モーターはカムリが120馬力・20.6kgで、インサイトが131馬力・27.2kgなのでインサイトの方がパワフルなのだが、エンジンを広域で走行に投入できるカムリとのパワー勝負は分が悪い。
ましてや高速領域ではエンジン排気量の差がモロに出ることだろう。
では燃費で新型のインサイトが圧倒するかといえばJC08でカムリ28.4km、インサイト31.4kmと1割ほどしか違わず、サイズとパワーの差を考えればそれに見合った燃費差とも思えない。


という感じに、新型インサイトは価格面ではもはやプリウスをある意味で敵としていないのだが、新たなライバルであるカムリと比べると小型という面しか長所が見いだしにくい。
そうすると昔あった「小さな高級車」というキャッチコピーのトヨタ・プログレを思い出しそうなものの、それにしては全幅が182cmとクラウンを超えており、北米モデルなことを主張している。
インサイトにはホンダの純正ナビが標準装備なのでその分はカムリより有利ではあるのだが、カーナビも今時はスマホで代替でき、安価な社外品も一杯あるのでそれだけでサイズやパワーの差をくつがえすのは少し無理があるだろうか。


インサイトにナビとかの無い300万円弱のモデルでもあれば、プリウスとカムリの間を突いた上級セダンとして健闘しそうな気がする。
CR-Vのように最廉価グレードにすらパワーシートを標準装備するということをしなかったのは良かったのだが、カーナビ等とついでにシートヒーターが付いているのがまだ気になる。
既にエアコンのコンプレッサーも電動化されていると思うので、少し古いハイブリッド感を演出されているようでちょっと困惑してしまう。
それとも北米ではシートヒーターが必須装備なんだろうか。


そんな北米モデルとはいえ、プリウスやカムリに挑むハイブリッド車ならオプション満載の高価格グレードのみの輸入車的な売り方から脱し切れてないのは少しさみしい。
そして本当にプリウスに対抗できるシビックハッチバックのハイブリッド投入はいつになるのだろうか。




日本市場にほどんど新車を投入しない日産に比べれば、ホンダはシビックにCR-Vやクラリティに続いてインサイトまで投入している。
たとえ世界戦略車でも何とか日本市場に新モデルを導入しようというその心意気は素晴らしいのだが、価格とグレード構成がどうも後ろ向きな気がしてならない。
価格でガチンコ勝負して量販に失敗したら大赤字になるリスクが怖いのは分かるものの、かといって高めな価格設定とオプション満載の少量販売でホンダの既存ユーザーだけを相手に手堅く小幅利益を確保する戦略ばかりというのはちょっと悲しい。
軽や小型車以外でもホンダの本気が見てみたい。
シビックやCR-Vとかはガチンコでもいけたのでなかろうか。


かつてプリウスに挑戦し続けたインサイトだけに今度こそホンダの本気が見られるかとも思ったのだが、300万円オーバーでは敷居が高くて打倒プリウスの量販モデルにはなりそうにない。
月販目標が1000台というのもホンダ自身がそれを示唆している。
デザインでこけたプリウスに比べるとせっかく割と常識的な感じにまとまっているのにもったいない。
そのプリウスもマイナーチェンジでデザインの大幅手直しがあり、インサイトが付け入るスキが少なくなってしまった。
やっぱり標準グレードでカーナビはオプションで良かったんじゃあなかろうか…。




まあそうしてハイブリッドなインサイトを300万円弱にしてしまうと、今度はただのシビックセダンの265万円との価格差の説明が難しくなってしまう。
30万円の上昇分などハイブリッド化だけで消化してしまい、高級化のための負担がどこかへ消えてしまう。
このことは間接的にシビックの割高感を演出してしまう危険性がある。
アクセラやインプレッサが200万円台前半なこととの違和感を裏付けてしまうことになりかねない。
そんなシビックの印象を消すためにインサイトは純正ナビを標準装備化するしかなかった、というのは少しうがち過ぎだろうか。


そしてこうなると、セダンより人気なシビックハッチバックをハイブリッド化してプリウス対抗にした場合の価格が難しい。
今がエアロや18インチホイールでセダンより高い280万円なのだが、本来ならハイブリッドがその価格で両方出ていて欲しい。
それが許されず、インサイトも窮屈な価格戦略を余儀なくされるところに、今のホンダの微妙さが現れているのかもしれない。


クラリティやCR-Vといい、価格の高さが一番の話題になり、雑誌でも同じホンダモデルの日米での価格差が特集される状況というのはやはりよろしくない。
インサイトの価格はよく見るとそこを修正しようとする努力が見えなくも無いものの、人によっては邪魔な純正カーナビの標準化で誤魔化した感じなところにまだ苦しさが感じられる。
マイナーチェンジを機に、シビックハイブリッドをいっそ280万円で出してくれるとホンダも変わったなと思えるのだがー。


シビックの既存ユーザーにはエアロの省略とインチダウンの差で勘弁してもらうしか…。
1.5リッターとはいえターボ車なことも考えるとそれなりの慰めになるような、ならないような。




 
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コメント

ここ最近のホンダの度重なる高価格戦略は、i-MMDの高コストさが表れていると思います。
i-DCDがあれだけリコールを連発してしまったのは残念ですし、i-MMDへの一本化も理由としてはわかりますが、それにしても見切りをつけるのが早い。
i-MMDについては以前、コストダウンに成功したと日経の記事にありましたが、結局のところまだまだ高い。次期フィットHVに載るとのことですが、価格はあまり期待しないでおこうと思います。
ホンダはいわば、制御の難しさからくるリコールリスクよりも、高コスト体質を選んだということでしょう。いずれにせよ、イバラの道といったところです。

Re: タイトルなし

i-MMDは全ての構成要素に高いレベルを求めるので確かに高コスト。
ただi-DCDも複雑なミッションや、1モーターな不利を補うためのリチウムイオン電池でアクアよりコストが。
特殊ミッションを低価格化の進むモーターやバッテリーなどに振り分ければ採算は合うとホンダはふんだのかもしれません。
それにやっぱりリコールがトラウマだろうし、燃費も1モーターではこの先厳しい。
次期フィットHVは、i-MMDから直結クラッチを省略した感じのノートeパワーと同じ価格かなと思っています。

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