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2019-01

EVリーフに最強モデル登場

日産のリーフにバッテリーが増量された「e+(イープラス)」というモデルが追加に。
ノーマルの40kWhが62kWhへ1.5倍以上に増え、これによって航続距離もJC08で400kmから570kmへと大幅増。
より実態に近いWLTCでも458kmで、距離的にはもはや実用十分といえそう。


価格はノーマルより50万円くらい高いものの、航続距離というEV最大の弱点がカバーされると思えばそんなに高くはないか。
それにバッテリーが増えたことで大電流によるモーターのパワーアップも可能になっている。
150馬力が218馬力へ68馬力アップはターボ搭載並なので、航続距離とあいまってかなりお得に見えたりする。




とはいえ416万円からという価格は決して大衆的と言えず、もはや高級車の領域。
おまけにEVにはバッテリー劣化の問題がつきまとう。
バッテリーの劣化は携帯電話やスマホでお馴染みで、未だに解決はされておらず機種変の強い動機にもなっている。
特に高温には弱く、充電中の酷使や、夏の車内にスマホを置き忘れるのは厳禁。
ところが車載バッテリーはまさにその車で使用され、40度近い酷暑の中を焼けたアスファルトの上で更に走行負荷をかけられるEVは、バッテリーにかなりきつい環境といえる。


トヨタのプリウスは車内の冷房の効いた空気をバッテリーに送風する強制空冷式で、ホンダのクラリティは水冷式、三菱のアウトランダーはクーラー用の冷媒で熱交換する冷媒式になっている。
日産も酷使が想定される商用車のe-NV200は冷媒式で強力に冷やせるものの、リーフは個人向けなのでコストダウンによる低価格を優先したのか、自然空冷式になっている。


そのせいか初代リーフはバッテリーの劣化が問題となり、中古車価格が半ば崩壊するという厳しい状況に追い込まれてしまった。
現行型も自然空冷式を踏襲しているものの24kWhから40kWhへ大容量化され、物量作戦による損失補填と負荷の平準・軽減によるダメージの低減が図られているような感じはする。


今回のモデルは更に大容量になったので劣化の影響がより薄まるようにも思えるし、バッテリーのエネルギー密度や集積度が上がって逆に熱がこもりやすくなったようにも思える。
そして酷暑の全体ダメージを強制冷却システム無しにどこまで抑制できるかはまだ未知数。


ただ、運用の想定条件が狂った場合にあえなくシステムが瓦解する危険性というのは常にある。
最近では原発が災害による全電源喪失という事態を想定していなかったため、冷却システムが機能不全に陥って炉心溶融からの水素爆発を招いている。
スマホでも2~3年前に某国の製品がやはりギリギリの設計で放熱に失敗してバッテリーの爆発炎上が相次いだとも。




初代リーフのバッテリー劣化問題に対して、現行型の改善策というのが詳しく解説された記事なり発表なりというのは、不勉強なためか目にした記憶が無い。
大容量化で改善したのかなと推測する程度で、あとは日産のバッテリー保証で安心するくらいだろうか。
8年又は16万km以内に8セグ(約66%?)まで低下した場合は9セグ以上に復帰する(100%な12セグにではない)という保証で、逆に言うと7割までの劣化は覚悟しなければいけないのが多いと見るか少ないと見るか。


そのため、初代リーフと同じ自然空冷式というのはやはり一抹の不安が残る。
ましてや災害と言われる酷暑がこれからも繰り返されそうな地球環境ではなおさらか。
日産以外の各社がPHEVにもかかわらず積極的な冷却システムを必ず採用しているのも気になる。
EVでその数倍のバッテリーを搭載しているリーフが自然空冷というのはなかなかに挑戦的な選択に見えなくもない。


また、現行リーフが劣化問題を仮に解決済みだとしても、初代リーフが残した消費者の不安心理の改善にはそれなりの時間がかかりそうで、EVという特殊性もあいまって中古車価格はやはり他の車より低迷するリスクは残ってしまう。
その際、大容量モデルはその影響をより大きく受ける危険性も考えられる。
新車価格といい、劣化問題や下取りリスクといい、EVが一般的になるにはまだまだ時間がかかるのかもしれない。




そんな未知のリスクを抱えながら、それでもひたすらEVに注力する日産は偉大な挑戦者といえる。
ぜひとも成功して欲しいのではあるが、初代の挫折や割り切り過ぎな仕様の気がしてイマイチ全幅の信頼を寄せにくい。
もし8年で7割、10年で6割程度まで落ちてしまうと、エアコン使用とかの実燃費で考えれば200kmちょっとまで航続距離は減少しかねない。
そうするともはや当初のような長距離運用は難しく、市場価値もかなり下がりそうだ。


その頃にはもうリサイクルバッテリーが安価にあるかもしれないが、それでも10万円とかでは買えないだろう。
それに地球環境や安い電気代で経済的にもエコという触れ込みで買うEVなら、最も高価な部品で様々な資源が大量に使われているバッテリーは性能がなるべく長持ちするように設計するのが真のエコともいえる。
車の使用目安?な10年ならまだしも、それに満たない8年で3割という損失を許容するやや微妙な保証を付けたから少々劣化しても大丈夫という割り切りだとすれば、そうしたエコと反対の思想に感じなくもない。


日産も傘下の三菱も現実的なコストで実用化している冷却装置があるのに、それを高価な大容量版でも使わないのはちょっともったいない。
商用車での運用結果などから、クーラーの冷媒で冷やしてもバッテリーの劣化曲線はさほど改善しないという結論がもし出ているなら別なのだが、当時は別会社な三菱でも採用に踏み切った装置の省略はやはり少し不安だ。
かつて各社が水冷エンジン化でノッキングやオーバーヒート対策をした時代に、かたくなに空冷エンジンに固執しているように見えなくもない。




まあでもポルシェの911も割と最近まで空冷だったしなあ。
かの本田宗一郎も空冷エンジンに最後までこだわっていたという。
そう思えば今回のリーフの「e+」はポルシェ911のような高性能と、スーパーカブ並みの耐久性を兼ね備えた最強のEVという見方もできなくは…(ry


それに液冷式とかは冷却システムに1発でも被弾するとエンジンがオーバーヒートで壊れる危険性があるけど、自然空冷式ならその心配がなく、エンジンの一部が被弾で壊れようとも残りが動いて母艦にたどりつける可能性がある。
つまり、極限の状況下ではやはり自然空冷式が最強なのだ!

(注: 前世紀の太平洋上のお話であり、現代のEV等に必ずしも当てはまるとは限らない…)




 
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